現代人の多くの人があてはまります。主にデスクワークに従事する人、肉体労働の中でも1日の大半を1カ所で立ちっぱなし、あるいは座ったままで仕事を行う人。車やバス、電車で通勤する人々、学校に通う子どもたち、自宅で毎日のんびりと過ごす人、テレビやテレビゲームばかりしている人、これらすべての人たちが、運動不足または偏った体の使い方により、姿勢がゆがみ、痛みなどを生じるリスクが高い人ということになります。
  これは信じがたいことかもしれませんが、エゴスキュー・メソッドでは、姿勢の変化を含め、結果がすぐに出ます。多くの人々が、個人セラピーでエゴスキューのEサイズ(※1)と呼ばれる、シンプルな動きをした最初の日に違いを感じるでしょう。 その後の結果はクライアント(※2)によって個人差があります。その理由は、Eサイズのプログラムをどれだけ毎日実践したかによって変わってきます。あなたが毎日Eサイズプログラムを続け、体が機能的になればなるほど、あなたの体にはどんどん新しい発見と変化があるでしょう。あなたが、Eサイズのプログラムを継続しさえすれば、週ごと、月ごと、年ごとに、あなたの姿勢と機能が向上していきます。そして痛み、症状の改善に繫がります。 (※1)Eサイズ エゴスキューのエクササイズ(体操)のことです。 (※2)クライアント エゴスキューでは、サービスを受けている方達をクライアントと呼んでいます。
  まず大事なことは、とにかく体を動かすことです。ただし、単なる運動では十分な効果は出ません。体の本来の構造に基づいた、適切な運動を行うことが大切です。みなさんが間違うのは「さあ、体調を戻さなければ」と決めると、何年も運動していないのに、突然ジョギングやランニングを始めたりすることです。それまで体は「どうにか保たれた」状態でしたが、急にジョギングやランニングを始めたりすると、体は機能制限(※1)によってさまざなところに負担がかかり、それをカバーするために代償作用(※2)を起こし、本来その役目ではない筋肉や関節を使い始めます。その結果、体にゆがみが起こり、腰、股関節やひざなどに痛みが生じることになります。 (※1)機能制限 関節や筋肉などが本来の動きをしていない状態。 (※2)代償作用 機能制限をかばうように、他の部分が代役をする状態。 ※たとえば、ケガをしたりして、ある部分に痛みや不快感があると、私たちの体は、本来使うべきでない筋肉に助けを借りて、その場所を「かばう」ようになります。この「かばう」という行為が「代償作用」を引き起こします。
  これは個人差があります。その人の体の状態、体のゆがみの程度やゆがんでいた年月などによって変わります。個人セラピーでは、セラピストがクライアントに合わせてサポートいたします。通常8~16回のセラピーを行うことで、何十年とかかって生じた姿勢のゆがみを解消していきます。8回セラピーの期間の目安は、4カ月~8カ月程度です。
  エゴスキューのEサイズは、特別な道具を使わなくても自宅にあるイスや壁を使って簡単にできるように作られています。一部、よりEサイズの効果を高めるものとしてクッションや木製のグッズがあります。詳細は、個人セラピーの際にお聞きください。
  これは個人差があります。その人の、体の状態、体のゆがみの程度やゆがんでいた年月などによって変わります。
  種類や運動量に関係なく、どんな運動であっても、全くしないよりは、した方がずっと良いです。一番良いのは、体の本来の構造、体の動きに合った運動を行うことです。エゴスキュー・メソッドでは、あなた自身のことを一番知っているのは、あなた自身の体だと考えています。そう。セラピストでも、トレーナーでもありません。いったんEサイズを始めれば、どんどん勢いがついて、運動を始めたときは5分間が限界だったとしても、すぐに10分、20分と伸びていくでしょう。 人によっては、5分も運動すれば十分な場合もありますが、それは個人差がありその人の環境しだいです。日々の生活の中で十分な運動量が得られているなら、機能的な観点からいうと、強いて運動を行う必要はありません。しかし、現代では、体の機能を維持するために十分な運動量を日常生活の中で確保するのは難しいでしょう。 ダイエットでも、エクササイズでも、薬やマッサージなどにしても、何であれ、全ての人にピッタリ合てはまるものはありまあせん、個人差があります。その人にもよりますが、完全に機能するようになるために、9カ月間、毎日20分、Eサイズのプログラムを行う必要がある人もいるでしょうし、3~6ヵ月で十分な場合もあります。 体は自分がどれだけ運動をすれば十分なのかわかっていて、あなたに知らせてくれます。自分の体からのメッセージに耳を傾けることが大切です。
  答えは、「はい」と「いいえ」の両方です。エゴスキューのEサイズプログラムは順番に意味があって組まれています。プログラムはEサイズを順番通りに1日に1回行うと非常によい効果がでます。1回行ったあとに、さらに行なう場合は、1日を通して「このEサイズをやりたい」というご自分の直感を信じて実践してみてください。体は自分がどれだけ運動をすれば十分なのか、わかっていて、あなたに知らせてくれます。自分の体からのメッセージに耳を傾けることが大切です。
  「まったく動けない」という状況は、きわめてまれです。機能制限(※1)(ゆがみ)によって痛みが生じている場合には、機能を回復させ、姿勢を良くすることで、痛みは解消されていきます。 また、機能が正常に働いていなければいないほど、回復するまでに時間がかかります。また問題がなくなるまでに、痛みが戻ってくることも何度かあるでしょう。しかし、絶え間なく痛みに苦しんできた人が、たとえ1時間でも痛みから解放されるとしたら、それは強さを取り戻し回復するための大きなステップとなるでしょう。まずは少しずつ、小さな成功を重ねて、前に進んでいくことが大切です。私達も応援します。
  いいえ、そんなことはありません。問題を引き起こしている機能制限(ゆがみ)を改善してやりさえすれば、手術をしなくても改善する例が多数みられます。手術をする前に本当に必要なことは何か考えてみてください。高額で痛みを伴う手術を受けるのも、ひとつの選択肢かもしれません。しかし、そうした処置は、症状を根本から改善するものとは限りません。手術をした後に、再発をして、個人セラピーに訪れるクライアントも多数います。
  どんな状況にあっても、決して遅すぎるということはありません。というのも、機能制限がそのままであれば、手術するにいたった問題は、今度は体のどこか他の部分で代償作用を引き起こし、そのまま存在し続けるからです。手術を受けたことで、ひざはものの見事に治ったように思えるかもしれません。しかし、肩や股関節はどうでしょうか? こうした他の関節は、いまだに解消されていない機能制限のために過剰な負荷を受けています。そのため、「手術後に別の箇所に痛みが生じた」とは、個人セラピーに訪れるクライアントから良く聞かれる言葉です。
  必ずしも、そうではありません。たとえ手術である部分がなくなったり、新しい人工関節が入れられた場合にも、体はそれに適応することができます。どんな状況であっても、必ずできることがあります。希望は常にあるのです。
  エゴスキューでは、Eサイズと呼ばれるとても簡単な運動で、姿勢を改善していきます。エゴスキューと他のメソッドの違いは、ぜひ、ご自分で体験した上でご判断ください。
  まず、痛みとは一つの症状にすぎない、という基本前提から考えてみてください。たとえば、もしあなたが何をやってもうまくいかず、難しい決断もしなくてはならないストレスだらけの一日を送っているなか、腰が痛んだとします。これはストレスが原因でしょうか? 多くの場合は、違います。痛みは、ストレスが原因ではなく、機能制限があり、そのために体にゆがみがあることで起こります。 体は痛みが生じる前に、機能を制限したり、代償作用など、ありとあらゆる方法を使って、症状を抑えようとします。そして機能制限があっても、なんとか働こうとします。しかしそれらの筋肉には収縮や弛緩が起こり、酸欠状態にも陥って負荷が増大します。そして働きの悪くなった筋肉は、体をゆがませ、コリや痛みなどの症状へと進んでいくのです。 一般的に、ストレスは悪いものだと考えられがちですが、単に忌み嫌うべきものではありません。実際、体は適度なストレスを必要としています。何かの訓練をしたり、学んだり成長することは、ストレスをうまく活用することでもあります。ストレスなしでは、刺激というものがなくなってしまいます。優れた運動選手や、大きな成功をおさめている人々は、大きなストレスの下にあっても、常にそれを前向きに楽しみ、自分自身への起爆剤としてうまく活用しているのも事実です。
  ふだんの生活の中でも、運動時でも、靴は履かなければ履かないほど、体には良いといえます。理想の基本姿勢のように足先がまっすぐ前を向いている限り、どんな靴を履くかは、さして重要ではありません。外反母趾などのゆがみを抱える人々用の靴も売られています。しかし、こうした靴のデザインは、症状を単に覆い隠す結果となり、改善されていない症状が足首や、ひざ、股関節に移行することになります。サンダルやハイヒールについても、よく批判の声が聞かれますが、機能制限のない足であれば、履いても何ら問題はありません。
  自分自身の直感を信じてください。温熱パッドに効果があると思うなら、使ってみるのも良いでしょう。しかし、熱は痛みの原因を根本的に解消する治療には、決してならないことを忘れないでください。
  長い目で見た場合、こうした装具をつけても、背中のゆがみを正すことにはなりません。体は、内部から外側に向かって働きかけます。装具は、外側から内部を安定させようとするものですから、本来の働きかけと異なります。装具をつけると、体の構造が安定したような錯覚を起こします。しかし、これは、体が痛みを通してせっかく警告メッセージを発しているのに、体の声を聞こえにくくしてしまいます。
  もちろんそうです。ひどい外傷の場合には、鎮痛剤を使うことで、体の状態が安定し、回復する力が与えられます。現在では、医学が進歩したために、10年前なら亡くなっていたような深刻な外傷でも、命を救うことができます。 しかし、慢性痛については、大きく進歩したとはいえません。鎮痛剤の短期の利用は、時と場合によって必要なこともありえます。しかし長期利用は、かえってトラブルを招くこともあります。鎮痛剤は、体から発せられている警告のメッセージ(痛み)を止めてしまうので、体の本来のメッセージが聞こえなくなってしまいます。 鎮痛剤は痛みを軽減します。しかし問題を根本的に改善するものでは、ありません。その前提から言えば、鎮痛剤に基づいた治療プログラムは、根本からの解決になるでしょうか。そうした治療プログラムでは、病気の主な原因ではなく、症状のみを取り扱っている場合がほとんどです。そして鎮痛剤に限らず、痛み、症状だけを抑える治療に、根本的な改善はありません。ここまで読んでこられた皆さんもお気づきだと思います。
  エゴスキューは、とてもシンプルで、姿勢を良くすることをテーマにしています。私たちのクライアントの皆さんは、地元の治療家や医者たちに、痛みを解消するのを手伝ってもらっている方もいます。また、治療家や医者たちもエゴスキューのクライアントでもあります。エゴスキューは自分で自分の体を良くするという方法ですが、治療家が、患者さんに治療をする方法が上手く行かない時、または、もっと効果を高めたい時にエゴスキューを利用しています。エゴスキューは他の治療法の効果を高めるものであり、バッティングするものではありません。多くの治療家が、エゴスキューで得られる結果を認め、多くの患者さんを紹介してくれています。
  一番良いのは、朝、Eサイズを行い、体が完全に機能する状態で、仕事場に到着し、そうした状態を保つことです。また、少なくとも30分に1回は休憩を取り、時々動き回ると良いでしょう。座ったままでいると、血液は体の末端に溜まる傾向があり、血の流れが悪くなりがちです。また脳へ送られる酸素は、動くことでより多く供給されます。正しく呼吸することは、非常に重要です。長時間キーボードの上に上半身をかがめたり、イスによりかかった姿勢をとることは、呼吸器系の働きを妨げるので、注意してください。 また、飲み物については、質の良い水に勝るものはありません。最近では、職場でも、冷房や暖房などの影響で知らないうちに脱水症状が進行していることがあります。慢性の関節炎や筋肉痛で、エゴスキューのスタジオに来るクライアントのうち、毎日きちんとお水を飲んでいる人々は、10%にも満たないのです。目安として、1日2Lのお水を飲むことをお勧めします。 体の大部分の組織は、水分で構成されています。そのため、体が水分を失うと、組織は乾燥した状態になり、弾力性もなくなり、機能が衰えていきます。きちんと水分補給をし、脱水症状に陥らないようにすることが非常に重要です。 また、脱水症状と痛みには関係があります。脱水症状によって組織から弾力がなくなると、筋肉にかかる負荷が高くなります。そのため、代償作用が生じ、ゆがみがある体は、いっそう強く痛みを感じる場合があります。 脱水症状のサインの一つは、集中力がなくなることです。たとえば、ひどい痛みがある人にとって、集中することは非常に難しく、目の焦点も定まりません。しかし、いったん水分が補給されると、驚くばかりに、集中力が回復します。
  体の機能を維持するのに十分な運動を行うために、昔の人々のような生活を1日12時間行う必要はありません。ただし、体の本来の構造に基づいた、全身を動かす運動を毎日行う必要があります。 体は、全身を動かさなければ、使われない機能は失われていきます。いったん正常に機能するようになれば、その後は、さほど多くの時間や労力を費やさなくても、体は機能を維持できるようになります。
  テニス、ゴルフ、サイクリング、ランニング、バレーボール、何でもそうですが、もしあなたが何かスポーツをしているなら、外側に向いている足先を、本来のあるべき位置に戻してやれば、パフォーマンス能力が格段に向上するでしょう。また、歩いていて、疲れやすいと感じたことはありませんか? 靴の裏の外側の部分が特に磨り減っていませんか? こうした原因は、すべて外側に向いている足にあります。たとえば、転倒した場合でも、もし体が正常に機能していれば、転んでも大きなケガにつながることはめったにありません。 プロのスポーツ選手については、機能制限が無いというわけではありません。多くの選手は、機能制限や痛みを抱えたままプレーしています。優勝するような運動選手であっても、機能制限を抱えながらトップになり、またその座を維持するために、痛みと闘っている人も多いのです。 そして一般的な人々は、痛みやゆがみの兆候があっても、体をだましだまし、なんとか日常生活に対処しています。そして気がついた時には、ゆがみや痛みがひどくなっていたとは、個人セラピーに訪れる方から良く聞かれる言葉です。